東洋FPP 株式会社様
【業種】印刷業
【事業内容】グラビア印刷用シリンダーおよび関連器具の製造・販売 等
【創業】1976年10月1日
【従業員】114名
■ 導入
・約25年使用していた制御用PCが突然故障し、生産の一部がストップ。
・新しい設備への更新が難しい状況の中、PC延命の選択肢を検討。
■ 課題
・故障したPCは特殊仕様で、メーカーからは「保守終了・修理不可」と通告
・同じ設備が他にないため、代替やバックアップが効かず、生産が滞るリスク
・更新には高額なコストと長期の納期が必要で、現実的な選択肢にならなかった。
■ 結果
・日本ピーシーエキスパートによる延命対応で、装置の稼働を維持することに成功。
・大規模な投資や長期停止を回避でき、業務の継続性が確保された。
・現場との丁寧なコミュニケーションや柔軟な対応に高い信頼を得た。
埼玉県川口市に本社を構える東洋FPPは、グラビア印刷に欠かせない「シリンダー(版胴)」を生産する専門企業だ。印刷用パッケージを製造する工程において、中核的な役割を担っている。
「弊社の業務は、印刷パッケージの元となる“版”をつくる工程に密接に関わっています。生産設備が1台止まるだけで全体のスケジュールに影響が出ますから、設備の安定稼働は会社の命綱です」と語るのは、現場を熟知する担当者の
目次
・設備停止は会社の危機
・メーカーが見放したPC、解決策は?
・技術力だけではない、現場を動かす力
・設備を動かし続けるという本質
設備停止は会社の危機
◾︎老朽化した制御PCの突然の故障
今回の相談のきっかけは、同社の主要設備の一つであるグラビア制覇設備を制御するパソコンの故障だった。そのパソコンは、なんと約25年間使用されてきたという。
「急に電源が入らなくなってしまって。精査の工程が止まり、繁忙期だったこともあり、業務全体に支障が出ました。残っている他の機械をフル稼働させ、人海戦術でなんとかしのいでいたんです」
しかし、設備の特性上、代替機をすぐに導入できるわけでもなく、増産が必要な時期に大きな課題となっていた。
メーカーが見放したPC、解決策は?
◾︎代替不能な装置と延命への道
対象の制御PCは減価償却を終えており、固定資産税だけがかかる状態だったが、それでも「動いている限りは使い続けたい」という思いがあった。
「更新は考えていたんですが、更新が追いついていなかったんです。メーカーにも相談しましたが、すでに保守対応終了、部品の供給停止という回答で、修理できないと突き返されてしまいました」
そんな中、社員がネット検索でいくつかの選択肢を比較。対応内容や実績、そして“直接来社してくれる”という安心感から、日本ピーシーエキスパートに相談を決めた。
◾︎メーカーが断った修理、辿り着いた「選択肢」
初回の問い合わせ時には、費用感に驚かれたという。
「正直、高いなと思いました。でも話を聞く中で、『このPCは既製品ではない』『代替が難しい』という状況を理解していって、納得できました。選べるプランをいくつか提示いただいて、説明も丁寧でしたね」
最終的には、費用と効果のバランスを見極めて延命対応を決定。現地対応も含め、稼働に必要なサポートが継続的に行われた。
「1回設置しても動作がうまくいかないときもありました。でも、何度も相談に乗ってもらって、最終的に設備がしっかり動くようになって、本当に助かりました」
技術力だけではない、現場を動かす力
◾︎延命対応で得られた効果と今後への期待
仮に更新していた場合、新しい設備の導入から稼働までには半年近い時間と数千万円単位のコストがかかっていた可能性もあったという。しかも、新機種導入には操作習熟やデータの整合性確保といった新たな負担も生じる。
「互換性があっても、微妙な“癖”の違いで印刷精度に影響が出る。現場にとってはその対応も大変ですからね」
◾︎設備全体を見据えた延命対応の価値
今回の対応により、装置全体の稼働が維持され、大規模な投資や業務停止を回避できた点は大きな成果だ。
「正直、PCが直っただけでは設備は動かない。そこまで理解して対応していただけた点がありがたかった。技術のことは詳しくないけど、対応の丁寧さや人柄に信頼感が持てました」
今後は、装置や周辺機器の予防保守も視野に入れているという。
設備を動かし続けるという本質
◾︎日本のものづくりを支える立場として
S氏は、日本の製造業を支える当社の役割に期待を寄せる。
「日本のものづくりは縮小傾向にあるかもしれませんが、現場にはまだ多くの課題があります。古い設備をなんとか使い続けたいという企業はたくさんあります。そういう現場の“最後の砦”として、これからも頼れる存在でいてください」
「紹介したくないって思うくらい(笑)、本当に忙しくなりそうですけど。困っている企業があれば、ぜひ紹介したいと思いますよ」