-PC延命で数千万の設備入れ替えが不要に
【信州大学 嶋田准教授インタビュー】

今回、お話をお伺いした信州大学の嶋田五百里様(左)、株式会社日本ピーシーエキスパート コンサルタント 森田 起也(右)
信州大学 繊維学部様
【業種】 大学教育機関・研究機関
【研究内容】化学工学の研究と触媒反応解析
【生徒数】1248(繊維学部)

課題
• 研究室で使用していたガスクロマトグラフィーの制御用パソコンが故障。
• 瞬時停電が原因で電源トラブルが発生し、起動不能に。
• 分析作業に影響が出て、卒論・修論にも支障が発生。
• 古いパソコン(10年以上使用)のため、メーカーサポート終了。
導入
• 日本PCエキスパートに修理を依頼。
• 電源トラブルだけでなく、全体の状態も診断。
• 複数の修理プランを提案し、コストに応じた選択肢を提示。
成果
• パソコンの修理に成功し、装置の延命に成功。
• 高額な設備更新(数千万円)を回避できた。
• 研究データの損失を防ぎ、分析環境を維持。
• 今後の設備更新計画の参考となる情報を得られた。
• 今後の予算申請のエビデンスとして活用可能。
長野県ににある国立大学法人信州大学様(以下、信州大学)から、ガスクロマトグラフィーという分析のための装置を制御するためのパソコンが突然立ち上がらなくなったとのご相談を受け、日本ピーシーエキスパートで延命コンサルティングを実施しました。
今回の対応について、信州大学の嶋田様に振り返っていただき、日本ピーシーエキスパートの支援による成果や率直な感想をお聞きしました。
目次
・PCが故障したことによる研究に与えた影響
PCが故障したことによる研究に与えた影響
-研究を支える分析装置とそのトラブル
嶋田先生は信州大学で化学工学の分野の触媒反応の解析を専門とされている。特に、石油精製やバイオマス燃料、プラスチックリサイクルなど、燃料や化学品の原料を生産するための触媒反応の解析や触媒設計に取り組んでいる。
今回、嶋田先生が修理を依頼したのは、ガスクロマトグラフという分析装置を制御するためのパソコンであった。この装置は、触媒反応によって生成された化学物質を分析し、どのような成分がどれくらい含まれているのかを調べるために使用される。

私たちの研究では、生成物の分析が非常に重要です。特に、新しい原料を使った反応では、どのような生成物が出ているのかを詳細に調べる必要があります。そのため、このガスクロマトグラフは研究に不可欠な装置の一つです。
修理を依頼したパソコンは、もともと中古で購入したもので、少なくとも10年以上使用されていました。ある日、研究室で瞬時停電が発生し、装置自体は問題なかったものの、パソコンが起動しなくなってしまいました。嶋田先生は「電源関係のトラブルが原因だろうと推測しましたが、自分たちでは対応できず、修理を依頼することになりました」と語る。

日本ピーシーエキスパートへの依頼の決め手
-メーカー代理店には既にサポートが終了していると断られる
分析装置のメーカー代理店に相談したところ、すでにサポートが終了しており、メーカーでの修理は不可能だった。そのため、インターネットで修理業者を探し、「古いXPパソコン」などのキーワードで検索した結果、日本PCエキスパートにたどり着いた。

「正直なところ、初めて依頼する会社にパソコンを送ることには少し不安がありました。しかし、問い合わせ後にすぐ電話をいただき、症状について詳しく相談できたので安心感がありました」と嶋田先生は振り返る。
提案内容と修理の流れ
日本PCエキスパートからは、修理に関して3つのプランが提示された。
1. 最小限の修理(故障個所の修理のみ)
2. 予防保全を含む修理(故障個所の修理に加え、今後故障しそうな部分のオーバーホール・メンテナンス)
3. 延命策の提案(将来的な安定運用を考慮したアップグレード案)

「通常、修理業者からの見積もりは1枚の簡単なもので、修理費用だけが記載されていることが多いと思います。しかし、日本PCエキスパートの提案は非常に丁寧で、どこに問題があり、どのような修理が必要なのかを明確に説明してくれました」と島田先生。
最終的に、今回は予算の都合もあり、最小限の修理を選択。しかし、パソコンの状態を詳細に診断してもらえたことで、今後の研究室の設備更新について具体的な計画を立てる参考になったという。
修理後の評価と今後の展望
修理後、パソコンは無事に復旧し、ガスクロマトグラフの分析作業も問題なく再開できた。また、修理前に懸念していたデータ消失の心配もなく、過去のデータはすべて保持された状態で返却された。

「パソコンを新品に買い替えたり、装置全体を更新するとなると、数千万円の費用がかかることもあります。それに比べると、今回の修理は10分の1以下で非常にコストパフォーマンスが高かったです」と嶋田先生は評価する。
また、日本PCエキスパートの対応についても、「修理だけでなく、今後の設備計画について考えるきっかけを提供してくれた点が非常に良かった」とのこと。
「私たちのような研究室では、古い装置を使い続けることが多いので、こうした修理業者の存在を知ることができたのも大きなメリットでした」と語った。
研究と産業の未来を支える技術
今回の修理を通じて、島田先生の研究室では単なる機器の延命だけでなく、今後の設備管理や予算計画についても新たな視点を得ることができた。「修理はあくまで手段であり、目的は研究を継続すること。その目的に沿った提案をしていただけたことに非常に感謝しています」と話す。
また、今後についても「研究室だけでなく、企業でも古い設備を活用することは重要です。新しい装置を導入するのが理想的ですが、予算の都合ですぐには難しいケースも多い。その中で、適切なメンテナンスをしながら使い続けることは、研究や産業の発展にとって大事なことだと改めて感じました」と語る。

今後も日本PCエキスパートのような専門業者と連携しながら、研究環境を維持しつつ、持続可能な技術の発展に貢献していきたいと嶋田先生は考えている。