老朽化した制御PCの延命修理──1億円規模の更新コストを回避【株式会社 東京サニックス様 インタビュー】

株式会社 東京サニックス様

【業種】製造業

【事業内容】パイプ加工・配管加工

【創業】昭和22年 4月23日

【従業員数】約1800人

■ 課題

・パイプ加工機を制御する旧型PCが経年劣化し、突発的な故障リスクが高まっていた。

・機械本体は問題なく稼働しているのに、PCトラブルが生産停止の原因になる恐れがあった。

・専用ソフトや制御用インターフェースが古く、新規PCへの移行が困難だった。

■ 導入

・旧PCの完全クローンを作成し、ハード故障に備えたバックアップ体制を構築。

・専用ソフトやI/O機器の動作検証を行い、新しいハード上で問題なく動作することを確認。

・システム全体を現状維持しつつ、安定性・信頼性を強化したPCに置き換え。

■ 結果

・突発的なPC故障による生産停止リスクを回避できた。

・制御ソフトや設備の使い勝手を変えることなく、現場のオペレーションを維持。

・コストを抑えつつ、延命・予備機確保による安心感が向上した。

埼玉県さいたま市に本社を構える東京サニックス株式会社様は、建設機械や船舶向けの配管製造を行うパイプ加工の専門メーカーです。今回、NCパイプベンダーの制御PCの不具合に直面し、日本ピーシーエキスパートへ延命修理をご依頼いただきました。

目次

・老朽化する制御PCが抱えるリスクとは

・延命対応という選択肢が生まれた理由

・丸ごとクローンで生まれ変わった制御環境

・生産を止めない安心感と、次世代への備え

老朽化する制御PCが抱えるリスクとは

◾︎昭和創業の老舗が抱える「設備延命」の現実

東京サニックス様は1947年に商社として創業。その後、自社製造体制を整え、現在では船舶向けの特殊パイプなど、少量多品種に対応する加工を担っています。

今回修理対象となったNCパイプベンダーの制御PCは、2000年頃に導入された設備に搭載されたもので、2012年に取引先企業から設備一式を譲り受けて以降、約12年間、現場を支えてきました。

「調子は良くなかったものの、なんとか動いていた。通信エラーが起きるまでは、だましだまし使っていたんです」と語るご担当者様。

◾︎突如の停止と高額な更新費用──立ちはだかる設備更新の壁

ところが、制御PCと設備本体の通信が突如として途絶え、設備の稼働が完全に停止。メーカーにも相談されましたが、「部品の供給が終了しており、修理は困難」との回答。

加えて、設備一式の更新費用は1,500万円以上、新設備導入となると6,000万〜1億円にのぼる試算となり、抜本的な入れ替えは現実的ではない状況に追い込まれていました。

延命対応という選択肢が生まれた理由

◾︎日本ピーシーエキスパートとの出会い

「更新ではなく、延命ができないか?」

そう模索する中で、インターネット検索により当社・日本ピーシーエキスパートを発見。通常のPC修理ではなく、「産業用制御PCの再生・延命」という独自の技術と実績に着目されました。

◾︎選ばれたのは「ミラーリングによる延命」策

「既存のプログラムをそのまま活かし、内部だけを刷新してオーバーホールしてもらえる。これは大きなメリットでした」とのご評価。現場のプログラムや制御ソフトを保持したままの“ミラーリング修理”により、再学習・再設定の手間を一切かけることなく、旧設備の延命に成功しました。

また、修理PCの発送に際しても、「専用の梱包ケース」のご案内を行うなど、重要資産の輸送に関する安心感も提供できたことが評価されました。

丸ごとクローンで生まれ変わった制御環境

◾︎修理後、立ち上がり時間が大幅短縮

修理を終えた制御PCは、現在問題なく稼働中。

「立ち上がりも速くなりました。以前は古いHDDだったためアクセスも遅かった。今はそのストレスもなく、しっかり動作しています」とご担当者様。

さらに、「もし延命できなければ、他社への加工外注や建物ごとの設備更新が必要になり、現場の生産性は大きく損なわれていた」と言います。

その金額は億単位にもなっていたそう。

「今回の修理費用は、設備更新費の5分の1以下。しかも固定資産扱いにならず、修繕費として処理できた点も大きかった」と、コスト面・会計面の双方から高い評価をいただきました。

生産を止めない安心感と、次世代への備え

◾︎「単なる修理」ではない。コンサルティング型サポート

ご担当者様は最後にこう語ってくださいました。

「パソコンの延命ではありましたが、本質的には設備の維持が目的。その意味で、御社は“修理屋”ではなく“設備保守コンサルタント”だと感じました。今後も産業機械とITの狭間をつなぐ存在として期待しています」

カテゴリー: