直らなければ捨てるしかない検査装置を救った―――“一品もの”製造を支える検査装置を守った延命対応の裏側【株式会社エムトピア様 インタビュー】

株式会社エムトピア様

【業種】製造業

【事業内容】プロダクトデザイン・筐体設計・3Dプリント・デザインモデル・ワーキングモデル・部品加工・各種表面処理

【創業】1970年1月8日

【従業員数】100名

課題

・使用していたPCが生産設備と直結しており、

故障=ライン停止の高リスク状態

・保守終了・特殊仕様のためリプレイスが難しく、内部劣化も進行していた

・現場では「いつ止まるかわからない」不安が続いていた

導入

・日本ピーシーエキスパートに相談し、現機診断と延命プランを実施

・HDDクローン、部品交換、予備機の確保など、最小ダウンタイムで対応

・稼働時間に配慮した作業で、現場への負担を削減

結果

・PCが安定稼働し、不意の停止リスクが大幅に低減

・予備機体制により、万一の際も短時間で復旧可能に

・生産を継続できる環境が整った

株式会社エムトピア様は、量産とは異なる“一点もの”のモノづくりを行う会社だ。

メーカーからデザインや設計段階で依頼を受け、形状・色・質感を忠実に再現するデザインモデルやモックアップを製作している。金属・樹脂加工を中心とした高い技術を持ち、社内での検討用モデルを一品だけ作るといった精密な要望にも応える専門集団だ。

そのモノづくりの根幹を支える検査機のひとつが、今回トラブルを起こした装置である。

15年以上前のPCを使用し続けていた検査機は、ある日突然起動しなくなってしまう。メーカーには「古すぎて保守不可」と断られ、代替機の中古PCを探し歩いても見つからない。検査工程の遅延が現場を直撃し、装置停止のリスクが現実味を帯びたそのとき、エムトピア様は日本ピーシーエキスパートへご相談くださった。

今回、当時の状況や対応後の評価、そして延命対応に感じていただいた価値についてお話を伺った。

目次

・止められない現場を支えるPCトラブルの発生

・入れ替え困難な環境で選んだ“延命”という選択

・最小限の負担で実現した延命対応と復旧作業

・安定稼働とコスト削減を両立した導入効果

止められない現場を支えるPCトラブルの発生

■ 一品もの製造に特化したプロフェッショナル集団

まずは御社の事業概要を教えてください。

「基本的には製造業なんですが、量産品はほとんど扱っていません。メーカーさんからデザイン・設計段階で依頼を受けて、一点もののオーダーメイド製品を作っています。デザインモデルやモックアップと呼ばれるもので、色や形をそのまま再現する仕事ですね。毎回内容が違うので、ほぼ同じ仕事はありません。」

金属・樹脂加工を中心に、試作品やデザイン検討用のモデルを作るため、設備の安定稼働は必須だ。

「メーカー推奨の点検作業も行っていますし、できる限り設備を長く使いたいというのが本音です。新しくすると原価償却もありますし、経費にも関わってくるので。」

■ 15年使い続けたPCがついに起動不能に

今回延命をご依頼いただいたPCは、検査装置を制御するコンピューターだった。

「使い始めて15年ほどです。そのPCが突然“立ち上がらない”状態になってしまった。エラーが出て、どうしても起動しない。」

検査装置は複数台あるものの、台数には限りがある。

「1台落ちると検査の遅延が出てしまう。それが直接の影響でしたね。」

予備機がないため、止まった装置の代わりを探さねばならない。しかし、同一機種は見つからなかった。

「日本橋まで探しに行ったり、ネットで中古を探したりもしました。でも全然なくて。メーカーにも相談しましたが“古すぎて保守不可”で断られました。」

完全に八方ふさがりの状況だった。

入れ替え困難な環境で選んだ“延命”という選択

■ 日本ピーシーエキスパートを知ったきっかけと依頼の決め手

そんなとき、社内の方がネットで当社を発見したという。

「ホームページを見つけてくれたんだと思います。うちは“一点もの”の仕事が多いので、PCの故障箇所をピンポイントで特定してくれる業者を探すのは難しいと思っていました。だから、ホームページを見て“これは相談してみよう”となりました。」

依頼の決め手は何だったのか。

「メールでの細かいやり取りがすごく丁寧で助かりました。提案内容も分かりやすかったです。ただ、最初はプランが多かったので少し迷いましたね。どれを比較すべきか考えないといけなかったので。」

最終的には特急対応のプランを選んでいただいた。

■ 解析と“ワンオフ電源製作”という難所

作業中の印象に残った点を伺うと、こんな答えが返ってきた。

「内部を見て“うわ、こんなに溜まってたか”と驚きました。正直、工期が前後するだろうと思っていましたが、しっかり対応していただけたと思っています。」

実際、今回の電源は非常に厄介だった。

純正電源が存在しないため、仕様を解析し、同等の電圧を複数組み合わせて“完全互換のワンオフ電源”を製作したのだ。

3.3V/5V/12V といった複数電圧を正確なタイミングで出力する必要があり、その“立ち上がり順序”まで一致させなければ装置は起動しない。

「一見同じ仕様で作っても動かなかったらしいですね。電圧が出るタイミングまで解析していただいて驚きました。海外から同じ電源を入手して、それを解析して直したと聞いて、そんなところまで必要なんだと。」

古い機器ほど、こうした“特殊仕様”が潜んでいる。

日本ピーシーエキスパートでも特急作業中に徹夜で解析を行うほど難易度の高い修理だった。

最小限の負担で実現した延命対応と復旧作業

■ 修理が間に合わなかった場合の損害

もし今回復旧が間に合っていなかったら——。

「装置を買い替えるしかない状態でした。1500万円〜3000万円ほどはかかると思いますし、入れ替え後の立ち上げにも時間が必要です。その間に外注に出したりすれば、さらにコストは上がります。」

特急対応に価値を感じていただけたという。

「1〜2ヶ月止まると機械が回りません。オペレーターの手も止まってしまう。だからこそ特急対応は非常に価値があると思いました。」

■ メーカーが断る領域でも解析できる技術力

技術的な面で評価いただける点を伺った。

「うちにもプログラムが分かる人はいますが、それ以上の専門知識が必要でした。メーカーですら“嫌だ”と言う領域のPCなので、内部仕様なんて本来分かる人がいないはずなんです。そこを解析して直せるのは本当にすごいと思いました。」

■ 延命という選択肢の価値

今回の延命対応を通し、管理運用に対する考え方にも変化があったという。

「今のPCはWindowsのバージョンが変われば買い替えが当たり前です。ネットにも繋ぐので、延々と使い続けるのは難しい。しかし今回のように“検査装置専用”でスタンドアローンのものなら、延命の価値は大きいと思いました。」

日本ピーシーエキスパートには全国から、XP・2000・NT・DOSといった“ビンテージPC”の延命依頼が来る。

検査装置・三次元測定器・X線装置など、機械は動くのにPCだけ壊れるケースが多いからだ。

安定稼働とコスト削減を両立した導入効果

■ 今後について:再依頼・紹介について

最後に、今後の評価を伺った。

——弊社を100点満点で評価すると?

「100点です。価格も想定の範囲でしたし、何よりメール対応が丁寧でした。質問にも随時回答していただけて、とても信頼できました。」

同様のトラブルがあれば再依頼していただけるという。

「はい。困ったらお願いするしかないです。同じような会社があれば紹介します。“ここは直せる”と言えるので。」

——日本のモノづくりを支える日本ピーシーエキスパートへのメッセージをお願いします。

「まだ使える機械でも、今回のようにパソコンが壊れたら捨てるしかない。それを救って長く使えるようにしてくれるのは、社会的にも意味があると思います。」

■ まとめ

量産品とは違い、“一点もの”の精密なものづくりを行うエムトピア様にとって、検査装置の停止は大きなリスクだ。

メーカーにも断られ、代替PCも見つからない状況で、今回の延命対応はまさに最後の砦だった。

ワンオフ電源製作、海外入手電源の解析、細かな電圧立ち上がりタイミングの再現——。

複雑な工程を経て装置が復旧したことで、モノづくりの現場の継続に貢献できたことを嬉しく思う。

「まだ使える機械を捨てなくて済んだ」。

その一言は、延命という選択肢が持つ価値を端的に示している。

エムトピア様、このたびは貴重なお話をありがとうございました。

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